こんにちは。
今回のテーマは日本語の単語「わかりません」と「知りません」の違いです。
単純に英語に訳せば「わかりません = I don’t understand」、「知りません = I don’t know」だと思われる方もいらっしゃると思いますが、以下の会話例の「わからない」は「I don’t understand」じゃないですよね?
A:卒業したら、どんな会社で働くつもり?
B:うーん、まだわからない。
このように日本語と英語は全てが直訳できるかといえば、そうではありません。
そのため、「わからない」と「知らない」の違いや使い方について質問された場合に教師の皆さんはきちんと答えられるように準備しておかなければいけません。
そこで、今回は「わからない」と「知らない」の違いをどう英語で説明・補足すれば良いのかを紹介します。
「わかりません」と「知りません」の違い
この2つの単語の違いをまとめると次のようになります。
- 知らない:知識が無い。
わからない:理解できない、忘れてしまった。 - 知らない:他の人について答える時に使う。
わからない 自分について答える時に使う。 - 知らない:「知ってる?」と聞かれ、「いいえ」と言いたい場合、「知らない」を使うことが多い。
わからない:「わかる?」と聞かれ「いいえ」と答えたい場合、「わからない」を使うことが多い。
ポイント1に関して、具体例をあげると次のようになります。
① インターネットで調べたけど、この料理の使い方が(わからない / 知らない)
② 友達が教えてくれたけど、結局答えが(わからない / 知らない)
上記の例では、どちらも「わからない」を使うのが自然ですね。
これはインターネットや友達を通して情報を得たにもかからわず、理解できないことをいうので、「わからない」が適切な言葉になります。
続いて、ポイント2ですが、以下の例文を見てください。
母: あれ〜、昨日買ったプリンが無いんだけど
私: え、知らないよ。(×わからないよ)
この例文の場合は「知らない」が適切ですね。
では、次の文はどうでしょうか。
友達:ねぇ、夏休み、どこ行くの?
私:まだ、わからないよ。(×知らないよ)
今度は「わからない」が適切ですね。
この例文のように、自分以外のことについて言う時は「知らない」、自分のことについて言う場合は「わからない」を使います。
最後に、ポイント3ですが、特に例文を見なくても容易に想像できると思うので、今回は割愛します。
- 知らない」は知識がないことを表し、「わからない」は理解できない、あるいは、教えてもらったが忘れてしまったことを表す時に使われる。
- 自分のことについて答える時は「わからない」、自分以外のことについて答える時は「知らない」を使う。
- 「知ってる?」と聞かれ、「いいえ」と言いたい場合は、「知らない」を使うことが多い。一方で、「わかる?」と聞かれ、「いいえ」と言いたい場合、「わからない」を使うことが多い。
「わかりません」と「知りません」の違いを英語で説明する
「知らない」is used to express that the speaker doesn’t have knowledge about something, 「わからない」is used to express that the speaker can not understand or has been taught something but he had forgotten.
In addition, 「わからない」is used when you answer “no” referring to yourself, 「知らない」is used when you answer “no” referring to someone else like in the sentences below.
友達:ねぇ、夏休み、どこ行くの?
私:まだ、わからないよ。(×知らないよ)
母: あれ〜、昨日買ったプリンが無いんだけど
私: え、知らないよ。(×わからないよ)
Furthermore, if you will be asked something using 「知ってる?」and you want to say “no”, 「知らない」is normally used, and if you will be asked something using 「わかる?」 and you want to say “no”, 「わからない」 is normally used.
まとめ
今回は「わかりません」と「知りません」はどういった意味や使い方の違いがあるのか、またどうやって英語でそれを説明するのかを紹介しました。
今回紹介した説明だけでは、完璧に理解するのは難しいと思いますので、日本語の例文もいくつか提示して2つの違いをわかるように工夫してください。
質問の頻度はそれほど高くないですが、時々「使い訳がよくわからない」と質問してくる学生がいますので、日本語教師の方はいつでも説明できるようにしておきましょう。